コーヒーのブログ

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偽物のスペシャルティコーヒー?

更新日:2017年7月16日

 

巷であふれかえっている「スペシャルティコーヒー」。

しかし、これまた困ったことに「スペシャルティコーヒー」の定義が多様化してしまっています。

そのため、「スペシャルティコーヒー」と謳っていても「う~ん、イマイチな味だな」と思うような店がはびこっています。

スペシャルティコーヒーってこんなものか」と落胆する前に、知っておくべきことがあります。「スペシャルティコーヒー」を飲みに行くのなら、ちゃんと理解を示している店でコーヒーを楽しみましょう。

 

 

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日本のスペシャルティコーヒーの大元は、SCAJ(一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会)です。

スペシャルティコーヒーの考えの発祥地は、アメリカのSCAA(

Specialty Coffee Association of America)です。

SCAJはSCAAの理念をそのまま受け継いでいるので、スペシャルティコーヒーの正しい定義はSCAJの定義す。

 

シングルオリジン=スペシャルティコーヒーではない。

スペシャルティコーヒーの定義 « SCAJについて | Specialty Coffee Association of Japan

スペシャルティコーヒーとはどんなコーヒーか

消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。

風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。

カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup

具体的には、生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。
そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。
さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。

日本スペシャルティコーヒー協会は、生産国から消費国にいたるコーヒー産業全体の永続的発展に寄与するものとし、スペシャルティコーヒーの要件として、サステナビリティとトレイサビリティの観念は重要なものと考える。

 

 

 

つまり栽培地にだけ言及しているシングルオリジンは、必ずしもスペシャルティコーヒーということではないのです。

サステナビリティとトレイサビリティ

 も重要だよと言っています。

どういうことか?

理解するためにはまずコモディティコーヒーを知っておく必要があります。

 

コモディティコーヒーってなに?

コモディティコーヒーは、国単位でいろんな農園の生豆を混ぜこぜにされているコーヒーです。

一応等級の判断がされています。

栽培地の標高で分類したり、生豆のスクリーンサイズ(豆のウエスト部分の大きさ)、美味しくない豆の数で等級を判別します。

 

その等級の判断基準は国によってまちまちです。

標高で等級を判断

例えばグァテマラであれば、標高で等級を判断します。

一番上が1350m以上でSHB(ストリクトリーハードビーン)、次が、HB(ハードビーン)・・・という具合です。

生豆のスクリーンサイズで判断

コロンビアやタンザニアは生豆のスクリーンサイズで判断します。

スクリーンサイズというのは、コーヒー豆のウエストの部分のことです。

一番大きいサイズが一番美味しいとされ、大きいものから高い位の等級を与えられます。

最高等級はコロンビアスプレモ、タンザニアAAなどです。

欠点豆の少なさで判断

ブラジルは欠点豆と呼ばれるコーヒーに不快な味をもたらす原因となる豆の少なさを評価します。

一番欠点豆の少ないものをブラジルNo,2としています。

(No.1は存在しないです。意味するところは、欠点豆のないものをNo.1としているためです。最高級品でも欠点豆は極少量は必ず入ってしまうため、No.2が実質の最上位となります。)

素晴らしい風味を評価しない

これらの等級の評価の仕方を見てもわかる通り、味の特徴を評価する工程がないのです

ネガティブチェックというコーヒーにダメな味が入っていないかというチェックのみです

「このコーヒーはこういう素晴らしい特徴があるね。」というチェックではないのです。

 

標高が低くても豆が小さくても、素晴らしい風味特性をもった美味しいコーヒー豆が存在する

確かに、栽培地の標高が高いと昼夜の寒暖差の影響で糖分を生成しやすく、コーヒーが甘くなります。

豆のサイズが大きいということは、完熟している可能性が高く、欠点豆が少ないのです。

同様に欠点豆が少ないということもコーヒーを美味しく抽出する上で重要です。

問題なのは、標高が低くても豆のサイズが小さくても、素晴らしい風味特性をもった美味しいコーヒー豆が存在するということです

コーヒーノキの品種によっても豆の大きさが異なり、豆が小さくても完熟してから摘み取られて美味しいものがあります

さらに、欠点豆を少なくしても、パッとしないコーヒーも存在します

 

最終的にはなにを評価したいのか。

飲むときに感じるコーヒーの持つ「風味」です。

 

サステイナビリティはWin-Winの関係

この映画をご存知でしょうか?

 

おいしいコーヒーの真実 [DVD]

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まず、この話は生産者から直で購入するスペシャルティコーヒーとは関係がなく、先物取引で価格を決定されるコーヒー豆についての話です。

つまり、コモディティコーヒーの話です。

さらにこの情報は、今は古いです。

今はこの映画の頃の単価の約2倍になっており、コーヒー農業者はそれ相応の金額を受け取るように改善されてきています。

しかし、ブローカーにより、適正な価格で取引せず、安く買いたたかれていたことが過去にあった事実をとらえています。

この事実を踏まえて、「サステイナビリティ」つまり、農業者も生活できるような環境を整えることにとって持続的にコーヒーが生産されることに貢献しているコーヒーであることは、スペシャルティコーヒーにとって重要なのです。

 

トレーサビリティがあるから信頼できる

コモディティコーヒーは生豆の状態で3年も4年も放置されたものが含まれている可能性があります。

黄緑色のフレッシュな生豆とは異なり生豆の色が黄みがかっており、見れば古いとわかりますが、大量に混ぜこぜにされたら判別は不可能です。

量で販売するので、売り主にとっては当然多い方がいいのです。

混ぜられてしまえば最後、日本には一応品質の高いものが輸入されますが、こういったカサマシ作業が行われて、我々がコモディティコーヒーを飲む場合、「いつの豆だこれ?」っとなるような品質の悪いものを含んでいる場合があります。

 

 信頼度を上げるには生産者に責任を持たせることと同時に評価すること

一般的によくお米に例えられるが、コシヒカリ、とただ書かれているより、魚沼産コシヒカリと書かれている方が信頼度も高く、美味しいことが知られています。

さらに、佐藤さんの佐藤農園で作ったコシヒカリとなると、名前を出せるくらい自信を持ってブランド化されたお米だとわかります。

品質が良いだけでなく、誰がどこでどのようにして作ったかが、みえてきます

そのコーヒー豆がどのような経路で最終の消費地までやってきたのか、最初の栽培地から特定することができる透明性をもっていることを、トレーサビリティと呼びます。

そのトレーサビリティを確認でき、生産源の表情がみえるコーヒーであることが重要なのです。

それはつまり、生産者に責任を認識してもらうことにもつながります。

そして、ただ、その責任を負わせるだけではなく、その責任の対価をしっかりとした形で評価することが大切です。

つまり、それ相応の報酬を支払うということです。

その報酬で、よりよいコーヒーを作ったり、その土地の経済を潤すことができるのです。

 

 カップオブエクセレンス(COE)は最高峰の信頼できるシステム

カップ・オブ・エクセレンス(Cup of Excellence)は、その年に収穫されたコーヒーの中から最高品質(トップ・オブ・トップ)のものに与えられる名誉ある称号です。

略してCOEと呼ばれます。

一つの農園からできた全ての豆が評価されるのではなく、全生産量の数%にも満たないほんのわずかなコーヒーだけが、カップ・オブ・エクセレンスの称号を授与されます。

購入するときもそのロット(ひとかたまりのコーヒー豆の量)を指定して買い取ります。

このCOEは、The Alliance for Coffee Excellence(ACE)という国際的なNPO団体によって管理・運営されているサービスです。

このNPO団体ACEにはコーヒー界を牽引する企業・人物たちが結集しています。

その最高レベルの人たちによって、最高のコーヒー豆が評価される仕組みです。

そして、オークションを開催し、落札します。

オークション参加者はサンプルを取り寄せることができ、事前に評価できます。

落札金額のほとんどが生産者自身の取り分となるため、一攫千金のシステムとなっており、生産者にとっても夢であり、高い評価を得られるシステムです。

また、落札者は非常に美味しいコーヒーを消費者に届けることができます。

COEの称号を得た農園の周りでは、学校や病院が建ったり、道路が整備されたり、関わる人々に好循環を生んでいます。まさに、Win-Winのシステムです。

落札結果の情報も「だれがどの豆をどんな金額で購入したのか」という落札金額から落札社名までオープンに公開されています。

 

 

どのお店が信頼できるの?

落札企業をみてみよう

参考までにコスタリカの2017年COEの落札結果のURLを添付します。

Costa Rica 2017 auction-results - ACE

その落札結果をご覧になるとわかりますが、日本の企業はたくさん参加し、落札しています。

 

  • 丸山珈琲
  • 猿田彦コ珈琲
  • ヒサシヤマモトコーヒー(Unir)
  • ワタル株式会社
  • Taniguchi Coffee
  • NOZY COFFEE
  • ナガハマコーヒー

 

 

ただ、COEすべてが同じレベルで感動できるとは限りません。

中にはCOEでもん?と思うものもあります。

そのため、もう少し深く考察してみる必要があります。

 

落札金額をみてみよう

コスタリカの2017年COEの落札結果
Costa Rica 2017 auction-results - ACE

 

もう一歩深く見ていただきたいのが、「落札金額」です。

上位2位は圧倒的に「高い金額」です。

つまり、それだけどこの企業も評価したということです。

そして、COEという称号の中にも豆のレベルが異なっているという事実が確認できます。

そして、その金額からどれだけ本気で美味しいコーヒーを広めようとしているかもわかります。

 

これは、あくまで生豆の段階です。

ここからちゃんとした生豆の管理がされているか、焙煎がされているか、きちんとした抽出ができているのかを判断する必要があります。

 

指標として使用できるのが、SCAJの大会

一番信頼できるシステムとして、日本スペシャルティコーヒー協会が主催する大会があります。この大会は、日本だけでなく、世界の同様の大会にも繋がっている現在最も権威のあるコーヒーの大会となっています。

エスプレッソやハンドドリップ、サイフォンなど多肢にわたる大会が主催されています。

大会にもよりますが、例えば、ジャパンバリスタチャンピオンシップだと、抽出技術も抽出された液体の状態のコーヒーの風味も評価されます。

そのため、その大会で良い成績が残せるということは、客観的に見て信頼できると言えます。

本ブログでは、バリスタチャンピオンシップに目を向けて、様々な情報を発信していけたらなと思っております。