コーヒーのブログ

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WBC2014年1位の井崎バリスタのプレゼンがかっこいい

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井崎バリスタの背景

井崎バリスタは、元々彼の父が経営する福岡のハニー珈琲で16歳のときからコーヒーに携わってきました。

その後、丸山珈琲へ入り、2012年、2013年とJBC (Japan Barista Championship)を連続で優勝しました。※現在は独立し、サムライコーヒーエクスペリエンスを創立しています。

JBC優勝者は、その翌年開催されるWBC (World Barista Championship)へチャレンジすることができます。

彼は、2014年のWBCにてアジア人で初の優勝を果たした人物です。

偏見があるといっては何だが、「バリスタ」という職業は、海外経由で入ったきたものであり、アジア人が優勝することは難しいと考えられていました。

その目に見えない事情・背景を見事打ち破り、アジア人初のWBC優勝者となったのです。

 

JBCってどんな大会なの?

JBC (Japan Barista Championship)は、簡単にいうと以下のような大会です。

  1. 日本スペシャルティコーヒー主催のコーヒー大会
  2. 15分間でコーヒーに関するプレゼンテーションをする
  3. エスプレッソ4杯、カプチーノ4杯、創作ドリンク4杯を作る

※(準決勝・決勝のみ15分、予選は10分)

※創作ドリンクにアルコールは不可

 

JBCのプレゼンテーションの内容はバラエティに富んでいます。

エスプレッソを使って、なぜその豆を選んだのか、どんな取り組みをしてきたのか、今後どうしていきたいのか、聞いているだけで力をもらえます。

華麗な手さばきですべてのドリンクを淹れていく様、

よどみない動きですべての作業が整理整頓されていく様子、

プレゼンテーションを聞きながら観戦しているだけでワクワクしてきます

コーヒー好き嫌い問わず、観て楽しめる素晴らしいエンターテインメントです。

 

 

より詳しい説明は、日本スペシャルティコーヒー協会のホームページを参照

http://www.scaj.org/activity/competitions/jbc/jbc-overview

 

2014年優勝した井崎バリスタのプレゼンテーション動画

 

 WBC(World Barista Championship)は、JBCの世界大会版です。

JBCの優勝者が世界大会に出場するように、各国の国内優勝者が集い、競い合う大会です。

この動画は、2014年、イタリアのリミニにて開催されたセミファイナルのときの井崎バリスタのプレゼンテーションです。

井崎バリスタは、法政大学在籍中に大学のプログラムを利用して、イギリス・シェフィールド大学に海外留学して、英語をしっかりと学んだようでペラペラです。

ファイナルの動画もあるのだが、途中で切れてしまっています。

セミファイナルもファイナルも内容はほぼ同じです。

全て英語なので、プレゼンテーションの要旨を以下にまとめます。

 

2014年優勝した井崎バリスタのプレゼンテーション解説

要旨

井崎バリスタコーヒー同年代の生産者であるEnrique氏とともに、2年という時をかけてエスプレッソ用とカプチーノ用のコーヒーを作り上げた。

なぜ共同して作ったのか、どのような点を意識したのか、そしてそこから何を学んだのかについてプレゼンしている。

 

共同してコーヒー生産をする始まり

Enrique氏はコスタリカ、タラス、モンテコペイマイクロミル、ラ・メサ農園の生産者である。

同年代である生産者Enrique氏がとても高品質なコーヒーを生産していたため、驚いたという。

 

彼の作るコーヒーは、柑橘系の酸の美しい酸があった。

しかし、エスプレッソにするには、酸が強すぎて、ボディが薄くバランスの欠いたものになってしまう。

そこで、最終的にお客に提供するバリスタという立場からどんなコーヒーがよいのか意見を生産者にフィードバックすることでエスプレッソに適したバランスの良いコーヒーを作った。

facebook, eメール、そしてコスタリカの現地に訪問してディスカッションを重ねてできたのが、「エスプレッソ フォーカスド コーヒー」である。

 

エスプレッソ フォーカスド コーヒー

重要な点は以下4点

  1. 標高:標高1,900m
  2. 品種:ティピカ
  3. 生産処理:レッドハニー
  4. 乾燥:スロー・ドライイング(合計22日間)

 

1.標高が高いことで、昼夜に急激な寒暖差が生まれ、それがコーヒーの実の熟成をゆっくりさせる。

そしてそれが複雑な酸味をもたらす。

2.モンテコペイの品種すべてをカッピングして、ラ・メサ農園のティピカは一番スムースなボディをもっていることに気付く。

3.ハニープロセス(80%のミューシレージを実に残して乾燥)が重厚な甘みをもたらす。

上記3点ではまだ酸が強かった。

4.より甘みをもたらしバランス良いエスプレッソにするために、スロードライプロセスを導入。

このスロードライプロセスは、2日日光による乾燥、20日シェード下での乾燥をする。

 

カプチーノ フォーカスド コーヒー

  1. 標高:1,900m
  2. 品種:レッド・カトゥーラ
  3. 生産処理:ナチュラ
  4. 乾燥:スロー・ドライイング(合計28日間)

 

カプチーノ フォーカスド コーヒーは、ミルクとの相性を考えて作られたコーヒー。

1,2.同標高であるが、品種はカトゥーラを選択。カトゥーラは酸度が低く、ミューシレージが厚いことから甘みをもたらす。

3.ナチュラルを選択したのは、ベリーの風味をもたらし、それがミルクと合わさることで重厚感のある甘みに変化するため。

4.スロー・ドライイングは、エスプレッソ フォーカスド コーヒーより長い、28日間。これがさらなる甘みをもたらす。

 

 

 

シグニチャードリンク(創作ドリンク)

材料

  • エスプレッソ フォーカスド コーヒー:4ショット
  • アップルシロップ:15g
  • ピーチネクター:11g
  • カプチーノ フォーカスド コーヒー:1ショット
  • アイスキューブ

 

珈琲の特徴と関連のある材料を使用して甘味、酸味、苦味、ボディを引き出してバランスを整え、新しいフレーバーの体験を提供。

このドリンクに決めた理由は、バリスタの仕事はただコーヒーを説明するだけでなく、お客のコーヒーに対する期待を上回るエキサイティングなフレーバー体験を提供することだと考えているから。

 

井崎バリスタは、生産者Enrique氏との仕事を通じて、最良のエスプレッソを創りだすステップを真剣に学んだと語っています。

ことば、文化、そして距離という壁があったが、それを乗り越えるだけの「情熱」を持って取り組んだことが予想できます。

その「情熱」とは、お客に最良のエスプレッソを提供したいという井崎バリスタの情熱生産者Enrique氏のコーヒー栽培に対する情熱です。

井崎バリスタと生産者Enrique氏、まさにどちらが欠けても作ることができなかった特別なコーヒーといえるでしょう。

 

彼のプレゼンテーションは、結論を述べた後、必ずなぜそうなのかという根拠(理由)があります。

とことんまで突き詰めて、考えた証だと思います。

実際に農園に行ったり、その地域の品種をすべてカッピングしたり、本当にそうしていたとしたら、相当大変だと思います。

彼の裏には、彼を支えるたくさんの人がいると想像できます。

莫大なお金もかかるし、コネも必要だし、プレゼンテーションをあそこまで練り上げるのは周りに恵まれた証でしょう。

彼のすごいところは、自分の成長できる環境をドストレートに求めて、得ることができる点だと思います。

丸山珈琲の丸山社長は、日本のスペシャルティコーヒーの実質トップだと思います。

今は丸山珈琲より独立しましたが、坂本トレーナーもカリスマ的なトレーナーです。

2013年優勝したPete Licataにもコンサルをしてもらっていたようです。

人との縁にも恵まれており、それを活かせるところが、本当に素晴らしいです。