コーヒーのブログ

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コミュニケーションの大切さを感じるMaxwell Colonna-Dashwoodバリスタのプレゼンテーション

MAXWELL COLONNA-DASHWOOD, Colonna & Smalls, UNITED KINGDOM 

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いつも大変ユニークな切り口で楽しませてくれる、イギリス代表Maxwell Colonna-Dashwoodバリスタ(マックスウェル・コロナ・ダッシュウッド)のワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)2015年でのプレゼンテーションを解説したいと思います。使用している音楽も紹介します。

 

愛妻家であり、愛犬家であるMaxwell Colonna-Dashwoodバリスタは、Colonna & Smallsを経営しています。

イギリス人らしいシニカルなコメントの仕方がかっこよく、私の大好きなバリスタです。

 

昨年は、コーヒーに使用する水について化学的に分析して、コーヒーのフレーバーに対する水の影響について論文まで発表しました。

www.baristaguildofeurope.com

 

今回は大会の規定で水に規定が入り自由な水を使用できなくなりました。

ガラッとパフォーマンスを変えた彼のしたことは、タブーとも捉えられるジャッジとプレゼンターにしか見えないパフォーマンスでした。

 

お洒落な音楽が、彼のパフォーマンスを引き立てていますいます。

最後の音楽だけテイストをガラッと変えてフィニッシュに向かう演出がなされています。

 

Keep the Customer Satisfied

Keep the Customer Satisfied

  • サイモン&ガーファンクル
  • ポップ
  • ¥200

 

 音楽を理解しながらパフォーマンスを楽しむことができれば、彼の思いをより理解できるように思います。

 今回は昨年と異なり、自分を出したという、シニカルで本当の思いを語るMaxwell Colonna-Dashwoodバリスタのパフォーマンスを見てみましょう。

彼の隠されたパフォーマンスにも是非注目したいところです。

 

 

WBC2015 5位 Maxwell Colonna-Dashwoodバリスタの動画

 

プレゼンテーションの内容:

素晴らしいコーヒーをシェアするためには、言語を使用しなければならない。

ただ、言語は最も複雑なものである。

スコアシートは言語を介して感覚の経験をシェアすることができる。

 

スコアシートのフレーバーノートがあるからこそ、簡単に感覚の経験をシェアすることができる。しかし、時として、コミュニケーションを壊してしまうこととなる。

例えば、ブラックベリーの酸があるという場合、酸度は低いという意味になる。

しかし、ブラックベリーはいつでも酸度の低いわけではない。

そのような明確な定義があるわけではないのだ。

 

しかし、バリスタの仕事は、感覚をイメージできるように詳細を描くことである。

バリスタ大会は、大会であるから、限りある環境で感覚をシェアしなければならない。だから、ジャッジの言語、つまり、評価するスコアシートに直接指示を出す。(本来はジャッジが考えるところ)

 

以下 参考まで

ジャパン バリスタ チャンピオンシップ: ヘッドジャッジ得点表2015年版

http://www.scaj.org/wp-content/uploads/2015/05/JBC2015_Score-Sheets.pdf

ジャパン バリスタ チャンピオンシップ: ヘッドジャッジ得点表2017年版

http://www.scaj.org/wp-content/uploads/2017/05/JBC2017_Scoresheets-HST0530.pdf

 

使用コーヒー:

  • 国: コロンビア
  • 地域:ガイタニア トリマ(Gaitana Tolima department)
  • プロセス:100% ウォッシュト
  • 品種:カツーラ
  • 土壌:オーガニック
  • 標高:1850m→酸のポテンシャルを持たせる
  • 焙煎:ミディアムライト

コロンビア南部地域のコーヒーを全てテイスティングし、最も気に入ったものをチョイス

エスプレッソ:

特徴:

  • 酸味を主として風味
  • ハーモニーを奏でるように甘み
  • 鮮やかさ
  • タンニン
  • 複雑性でバランスがとれている

以下は風味の表現で一番強く感じる順番で、

 

  • ミディアムハイアシディティ
  • ミディアムスウィートネス
  • ミディアムビタネス

 

  • ミディアムボディ
  • ミディアムラウンドネス
  • シルキー
  • バタリー

カプチーノ

ミルク:アメリカのジャージー牛乳(オーガニック)

フレーバー:

  • ナッツ
  • ペカン
  • ウエハース
  • バターファッジ

シグネチャー:

材料:

  • エスプレッソ :最初に抽出、アイスの中に入れて冷やす。温度で酸味を引き立てる。

4つの酸味を主とした材料

3つはフルーツ系:

  • ザクロ:甘みのある酸
  • クランベリー:シャープさがでる
  • ブラックベリーの皮:タンニン、複雑性、甘み
  • クルミを液体化したもの:タンニン酸を豊富に含んでいる

温度を下げるとボディと甘味が弱くなるため、

  • ブラウンシュガー 2g:甘味を加える
  • クズウコンのシロップ :ボディをカバー

 

使用音楽:

 

 

Seasons (Waiting On You)

Seasons (Waiting On You)

 

A Dream of You and Me

A Dream of You and Me

 

 

Brand New Revolution

Brand New Revolution

  • Guts
  • エレクトロニック
  • ¥200

 

 

Keep the Customer Satisfied

Keep the Customer Satisfied

  • サイモン&ガーファンクル
  • ポップ
  • ¥200

 

 

~感想~

シグネチャーベバレッジ(創作ドリンク)は「ブラックベリーの皮なんか使うかね」という驚きの発想が見受けられました。

今回Maxwell Colonna-Dashwoodバリスタは、その他には特に特別なことをしていません。

しかし、心に残る印象的なプレゼンテーションでした。

その理由は、彼の苦悩とコーヒーのすばらしさをシェアするためにコミュニケーションをとることに対する情熱を感じたからだと思います。

 

スコアシートについては観客は通常わかりません。

これは、ジャッジとプレゼンターにしか「見えないパフォーマンス」です。

それを言語化することで、「見えないパフォーマンスをしていますよ」とアピールすることができ、観客を繋ぐことができています。

そして、それと同時にジャッジにも本当に伝えたいコーヒーの風味を理解してもらうことができています。

今回はバリスタ大会だからスコアシートの言語で話しているのだと言い切っていますので、本音は、どういう風味でどう素晴らしいのかということをコミュニケーションをとりながらシェアしたいのだという思いが伝わってきます。

ワールドバリスタチャンピオンシップのルールでは、本当のパフォーマンスができないのだという彼の苦悩が、にじみ出ていました。

2014年発表したコーヒーのフレーバーに対する水の影響について論文を作成したにも関わらず、翌年のワールドバリスタチャンピオンシップで使用できる水を規制されてしまった思いと重なり、大会の方向性への疑問の気持ちが隠しきれていないプレゼンテーションでした。

 

イギリスに行くときは、彼のお店へ必ず立ち寄りたいと思います。

きっとコーヒーを情熱的に語ってくれるでしょう。

 

Colonna & Small’s

営業日/時間

月曜~金曜: 8am - 5.30pm

土曜: 8.30am - 5.30pm

日曜: 10am - 4pm

6 Chapel Row,  Bath,  UK

07766 808 067

enquiries@colonnaandsmalls.co.uk

@Colonna_Smalls

 

引用:http://www.colonnaandsmalls.co.uk/

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以下記事より、WBC2015の上位12名のプレゼンテーションが確認できます。

 是非ご一読ください。

stevekino.hatenadiary.jp