コーヒーのブログ

コーヒー・カフェについてシェアしたく。

スターバックスがイタリアに出店するというのは、外国人が外国風たこ焼きのお店を道頓堀に出店するようなものでしょうか。

 

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via: Debut of Starbucks Reserve Roastery and Tasting Room in Seattle Will Redefine the Retail Experience | Starbucks Newsroom

 

「このロースタリーは、長年にわたる夢の実現。そして次世代のスターバックスの始まり」

 

スターバックスリザーブ®ロースタリーが2014年シアトルにできた時の、ハワード・シュルツHoward Schultz最高経営責任者(CEO)兼会長の言葉です。

 

学生さん、ブロガーさん、そしておしゃれな方々。みんなスタバが好きですね。
そのスタバの高級ブランド、リザーブ®ロースタリーが、2018年後半に、エスプレッソを生んだ地イタリアへオープンする予定です。
今イタリアで巻き起こっている「イタリアはスタバを受け入れるか」という議論についてシェアしたいと思います。

 

 

2018年にスタバリザーブ®ロースタリーがイタリアにできる


2016年2月29日に、ハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)兼会長より2017年の初旬にスターバックス1号店をミラノにオープンするというニュースをリリースしました。
これが当時の発表の様子です。

「第三の場所」コンセプトの発見

ハワード・シュルツ氏自身にとっても、イタリアは特別な土地だと言っています。
「1983年イタリアへ訪れバールに入ったときに、スターバックスの将来が見えた」

「イタリアのバールは、バリスタとお客さんにつながりを感じ、まさに家と職場以外の第三の場所として機能していた」

スターバックスの大事なコンセプトである、「会話と共同体意識が生まれる第三の場所」を1983年のイタリア訪問で目の当たりにしたのでしょう。

2018年後半リザーブ®ロースタリーをオープン

 

via:  Starbucks To Open In Italy, Home Of Espresso, In 2018. Italian Cafes Say Bring It : The Salt : NPR

 

2017年2月にリザーブ®ロースタリーをミラノのコルドゥーシオ広場にオープンすると報道されています。
2018年の後半のオープン予定です。

現在に至るまで、ミラノに通常のスターバックス店舗のオープンは確認できておりません。
そのため、通常のスターバックス店舗のオープンではなく、2018年の後半にオープン予定のリザーブロースタリーがスタバのイタリア1号店となる見込みです。
リザーブ®ロースタリーは、ヨーロッパでは初出店となり、世界でも5番目と希少な存在です。

 

 

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via: Starbucks to Open Stores in Italy | Starbucks Newsroom

 

コルドゥーシオ広場はミラノ中のトラムの路線が集中している非常にアクセスの良い場所です。

またハワード・シュルツ氏のバックにある大きなゴシック建築物は、ミラノの象徴である大聖堂“ドゥオモ”でコルドゥーシオ広場からすぐ近くにあります

 

「イタリアは最大のコーヒーマーケットではないけれども、コーヒーの道をスターバックスより先にマスターしており、マーケットに参入することは、個人的にも会社としても重要なことだ」とコメントしている通り、その本気度が垣間見えます。

イタリアのライセンス保持者Percassi社 ミラノ以外にもオープン計画

以下記事の取材では、ロースタリーオープン後、イタリアのライセンス保持者ペルカッシ社(Percassi)は、2018年中にスタバを数店舗ほどミラノにオープンする計画を立てているとのこと。
さらに、オープン初年度にミラノ以外にも店舗を増設する計画を進めています。
参照:Starbucks to Make Italian Debut With Upscale Roastery Cafe - Bloomberg

 

スターバックスのライセンス契約について

スターバックスは直営店にこだわりを持っており、フランチャイルズは行いません。ライセンス契約はフランチャイルズとは異なる位置づけであり、スターバックスの直営店を出店することが難しい場合に使用されます。
そのため、日本でもスターバックスは、エームサービス株式会社とライセンス契約して、企業内や病院内にスタバのコーヒーを届けたり、全日空商事株式会社と契約して空の旅でスタバのコーヒーを提供したり、株式会社TSUTAYA STORESと契約してTSUTAYAの本を読みながらスタバのコーヒーが提供できるようになっています。

超やり手のアントニオ・ペルカッシ氏

via: The Founder

 

そして、イタリアでは、スターバックスは小売・不動産業界で大変成功している企業イタリアの会社のPercassi社とライセンス契約を結びました。
Percassi社が、イタリアのスターバックスを運営することとなります。

Percassi社の創設者アントニオ・ペルカッシ(Antonio Percassi)氏は元サッカー選手です。23歳という若さで起業家へ転身しました。
Percassi社は、自社ブランドの化粧品ブランド「Kiko Milano」や不動産業で成功しています。

それだけではなく、デンマークの玩具店「レゴ」グループ, 米国発のファッションブランド「ヴィクトリアズ・シークレット」、高級スポーツカー「フェラーリ」、高級ブランド「グッチ」、「ラルフ・ローレン」、「ナイキ」、「リーバイス」、「トミー ヒルフィガー」といった名だたる大企業と提携しイタリアでの販売に成功しています。

 


リザーブ®コーヒーとは

 

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via: Debut of Starbucks Reserve Roastery and Tasting Room in Seattle Will Redefine the Retail Experience | Starbucks Newsroom

 

今回イタリア初出店となるスターバックスリザーブ®ロースタリーについて、知るために、まずはリザーブ®コーヒーとはなんなのかをみていきましょう。

 

非常にユニークなテロワールがもたらすフレーバーを持つコーヒー

リザーブ®コーヒー(Reserve® coffee)」とは、ごく少量しか取れず、スターバックスにて厳選された非常にレアなコーヒーのことです。
「ごく少量」しか取れないコーヒーというのは、非常にユニークなテロワール(terroir)がもたらすフレーバーを持つコーヒーのことです。
「非常にユニークなテロワール」というのは、気候、標高、土壌、温度、日射、降雨といった育った環境に加えて、コーヒーノキを育てた人の努力の融合がもたらす環境のことをさします。
これらのユニークなフレーバーを持つコーヒーというのは、数あるコーヒー栽培地でも本当に限られた一部の地域であり、農園は、家庭菜園のように小さい農園だってあります。その中からさらに厳選されたコーヒー豆を意味します。
参照:Starbucks Reserve®

わずか1%のコーヒー豆

どのくらい厳選されているか。
スターバックステイスティングルームというコーヒー豆品質チェック部署では、年間250,000ものコーヒーをカッピングします。
そのわずか1%のみが、リザーブコーヒーとして認定されます。
参照:Starbucks Reserve®

つまりはスペシャルティコーヒー

リザーブ®コーヒーは、その他のスターバックスのコーヒーとは一線を画すると区別するためにつけられた名称です。
一般的な呼び方では、「スペシャルティコーヒー」に相当するものと考えられます。
スターバックスは独自の価値観(基準)を提供しようとしているため、一般的な呼び方のスペシャルティコーヒーではなく、リザーブ®コーヒーと呼んでいるのかもしれません。
スペシャルティコーヒーの考え方はただユニークで珍しいコーヒーというだけでなく、誰がつくったのかがかわるようにトレーサビリティが確保されており、サスティナビリティを意識していることも重要なコーヒーの考え方です。
農園主がちゃんと継続してコーヒー栽培を続けて繁栄していける価格で取引していれば、リザーブ®コーヒーもスターバックスが好むと好まざると関係なくスペシャルティコーヒーと呼べるでしょう。

 

コーヒーのエンターテインメント施設!リザーブ®ロースタリー

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via: Debut of Starbucks Reserve Roastery and Tasting Room in Seattle Will Redefine the Retail Experience | Starbucks Newsroom

 

スターバックスリザーブ®ロースタリー(Starbucks Reserve® Roastery)はリザーブ®コーヒー(Reserve® coffee)として認められたコーヒー豆の焙煎所です。
しかし、ただの焙煎工場とはわけが違います。

百聞は一見にしかずです。

イタリアのロースタリーはまだ工事中なので、以下シアトルのリザーブ®ロースタリーの動画をご覧ください。

 

 

イタリアにできるリザーブ®ロースタリーが、シアトルのものと同様レベルのテイスティングルームや図書館が併設されたものかはまだわかっておりません。

しかし、コンピュータ制御されているポア・オーバーからフレンチプレス、サイフォン、ケメックス、もちろんエスプレッソやカプチーノ、ラテ等のいろんなコーヒー豆をいろんな抽出方法で楽しめるでしょう。

また、今回も、由緒あるミラノのコルドゥシオ広場という観光地としても人気の場所に建設中です。

 

イタリアのコーヒー文化について

イタリアエスプレッソ文化の革命家 Francesco Sanapo氏の4つのこと - コーヒーのブログでも触れましたが、イタリアにとって、「コーヒー」ことエスプレッソは文化としてイタリアの地に根を深く張っており、発祥の地としての誇りがあり、中世の時代から続く伝統があります。

イタリア人にとってのエスプレッソは、毎日毎日何度も飲む飲み物なのです。

親和性のレベルでいうと愛知県民にとっての味噌、大阪にとってのたこ焼き、沖縄にとっての海のような存在なのかもしれません。

それについて自分の思いと反した出来事が起きると、思わずムカッとなってしまう、そのくらいの思いを持っているものと想像できます。

 

 

論争を巻き起こすスタバ


スターバックスがイタリアにくることで、「行かない」という意見と、「行きたい」という意見に分かれています。
イタリアではエスプレッソは日常です。いわば、習慣です。
スターバックスはイタリアにとっては自国の産物を真似て作られたものというイメージかもしれません。
いろんな意見がありますので、ネガティブな意見もポジティブな意見も紹介します。

マイナス意見

  • カプチーノは朝しか飲まない。それ以外はエスプレッソを飲む。11時以降にカプチーノを求める人はほぼいない。スタバのエスプレッソは頼まないから行く機会がだろう。
  • スタバのコーヒーはただ手を温めるだけ。
  • イタリアでの成功は難しいでしょう。スタバは工場であり、ホームではない。イタリアのコーヒー好きは、バリスタとの関係を楽しむのが好きなんだ。継続的な人の入れ替わりのあるスタバには無理だ。
  • スタバはイタリアのコーヒーとはほど遠い。
  • フラペチーノはイタリア語ではないし、ラテというのはコーヒーとミルクでフォームは作らない。エスプレッソ自体もスタバとイタリアで飲むものでは違う。イタリアエスプレッソの国家研究所はエスプレッソの量を約29ミリリットルとしている。スタバのエスプレッソは二倍近い量だ。
  • イタリアで成功するためのアドバイス:コーヒーのような味がするコーヒーをつくりましょう。
  • マクドナルドを避けるように避けるわ。
  • スタバよりも近所のイタリアンコーヒーバーの方が強敵だと思っている。スタバに私が行ったとしたら、お客としてではなくて、数というしか見られないでしょう。カスタマーケアはイタリアでは重要だよ。
  • 伝統的なエスプレッソとカプチーノはイタリア文化に深く根付いてるんだ。ただ、スタバのファンシードリンクは、外国人や好奇心旺盛なイタリア人に受けるでしょう。ただ、伝統的なイタリアンコーヒーには取って代わることはないでしょう。
  • イタリアでは、ちょっとしたパティスリーとカプチーノで3ドル(約350円)くらい。スタバのグランデカプチーノは約4ドル(約450円)。ふつうの従業員は払えないよ。社長や弁護士は別だけどね。
  • イタリアでは、スタバの商品が好きな人はほとんどいないよ。
  • イタリアではコーヒーやアルコールを楽しめる場所があり、昔から第三の場所として存在しています。
  • イタリアのエスプレッソは0.90 euro(約120円)。スタバは2.50 euro(訳330円)。すで
  • にイタリアには多すぎるくらいのオプションがある。

 

 

プラス意見

 

  • イタリアでもスタバ風のカフェが出てきています。wi-fi完備したり、店内装飾を真似ているところもあります。若者には受け入れられると思います。
  • イタリアのバリスタは、自動的にコーヒーマスターとなれるわけではないということを気付くべきだ。ミラノには、外国人だけにウケたとしても生き残れるくらい多くの外国人がある。スタバはイタリア人にも流行ると思う。
  • スタバはイタリアのコーヒーバーの親和性にはかなわないだろう。そして、価格もしかり。ただ、イタリア人はスターバックスエクスペリエンスを経験しに行くことはあると思う。エスプレッソよりは、フラペチーノやアメリカンスタイルのケーキやクッキー、そしてフリ-Wi-Fiや心地の良いアームチェアーを経験しに行くと思う。
  • アメリカのひどい味のコーヒーを売りにするのではなく、第三の場所として売るのであれば可能性はあるだろう。若い世代はコーヒーハウスをより好むようになってきているから。
  • スタバの金額が変なわけではないと思う。イタリアのコーヒーの価格が低すぎるんだと思う。競争率が高すぎるんだよ。その結果、より低品質となり、製品も悪くなる。スタバのクオリティのコーヒーはローマでも出せないと思う。
  • テイクアウトのカップはイタリアでは少ないから受けるんじゃないか。
  • 自分は絶対行かないが、ミラノのような国際都市だったら、マクドナルドのように若い世代には受けいれられると思う。

 

意見をまとめると

他にも意見がありますが、、、

 

マイナス意見

  • スタバのコーヒーはまずい。
  • 「薄められた」コーヒーなんて飲めない。
  • ホイップクリームたっぷりのなんちゃってコーヒーは受け入れられない。
  • マクドナルド的存在。マクドナルドを避けるようにスタバも避けられるだろう。
  • 価格がたかすぎる。
  • イタリアにとって食は根源をなす文化。パスタ、エスプレッソ、ピザ、、、その文化を否定するようなものは受け入れられない。
  • 家と職場以外の第三の場所がコンセプト。イタリアのバールの文化はすでに第三の場所だ。
  • スタバは工場。イタリア人は家を求める。

プラスの意見

  • 若者はスタバのようなWi-Fi付きで装飾も見たようなカフェを出店している。若者には受け入れられるだろう。
  • ミラノは世界の入り口。海外客はスタバを難なく受け入れる。
  • エスプレッソを飲みに行くのではなく、スタバ経験を得るためにフラペチーノを飲みに行くだろう。
  • スタバの方がコーヒーのクオリティが高いと思う。

 

参照:

Starbucks To Open In Italy, Home Of Espresso, In 2018. Italian Cafes Say Bring It : The Salt : NPR

Can Starbucks succeed in Italy? - BBC News

Does Starbucks Stand a Chance in Italy? - Eater

Some advice for Starbucks on succeeding in Italy: Make your coffee drinks taste like coffee - LA Times

 
あなたはどう思いますか。

 

スターバックスの定番の飲み物「Frappuccino(フラペチーノ)」は、イタリア語チックな造語になります。
Cappuccinoカプチーノ)」のようですね。
cci」で「チ」と発音するという英語にはないものです。

傍から見ればどうでもいいレベルのことに思いますが、イタリアの人にとっては、イラっとくるポイントなのかもしれませんね。

 

イタリアのバールからインスピレーションを受け、独自の変化を遂げてものすごく大きくなったスターバックスをイタリアに持ち込む。

私個人としては、そこから生まれる社会的な変化に非常に興味をそそられています。

 

スターバックスがイタリアに出店するというのは、外国人が外国風たこ焼きのお店を大阪の道頓堀に出店するようなものでしょうか。

それはある意味ウケそうですが、、、


そうイメージすると、スターバックスを鼻で笑う人もいるかもしれませんね。

 

あなたはどう思いますか。


よければご意見聞かせてください。